グレゴア メンデルは、高等な生物の遺伝を研究するため、幾つかの重要な原則とその研究法を考案しました。エンドウ(Pisum sativum)の遺伝子について、分離と独立の法則を明らかにしたメンデルの実験が、ファストプランツ(生活環の短いBrassica rapa)の一遺伝子突然変異体の系種を使って行うことができます。それぞれの学校のカリキュラムや日程に応じて選択してていただく際の、目安としてご検討ください。
F 1・F 2 解説 F 1 世代
について茎の着色性(ノンパープルとパープル)を支配している遺伝子座の遺伝子型がanl / anlのノンパープル系統とANL / ANLのパープル系統を交雑して得た F 1 では、全ての個体の遺伝子型がanl / ANLとなり、表現型も全てパープルとなります。このように、対立する 2 つの形質のうち一方だけが F 1 に現われることを「優性の法則」と呼びます。 F 2 世代
についてF 1 個体間の交配(ファストプランツは自家不和合性のため、自殖種子は得られません)により得た F 2 では、ANL/ ANL、ANL / anl、anl / anlの遺伝子型を持った個体の比が 1:2:1 となり、表現型はパープルとノンパープルが 3:1 の比で分離することが期待されます。これは、F 1 において、anlとANLを持った配偶子が等しい割合(1:1)で形成された結果です。このように、F 1 が両親から受け継いだ1対の対立遺伝子が均等に配偶子へと配分されることを「分離の法則」と呼びます。
栽培・色の判定における注意点 ファストプランツ栽培における注意点 ファストプランツ栽培における照度は最も重要となります。照度は、最低でも 5,000〜10,000LX 以上を播種の段階から確保するようにして栽培してください。 色の判定における注意点 F 1 および F 2 世代において、ANL / anlの遺伝子型を持った個体の中に、茎の着色(紫色)が非常に薄いものが現れる場合があります。これは、個体の生育環境(照明の強さ)や遺伝的背景(ANL / anl以外の遺伝子座の遺伝子型)の違いによるものと考えられています。
パープルの表現型を示す個体を数える際は、このことを考慮していただき、茎の一部にわずかでも紫色の着色が見られる場合には、その個体を「パープル」と判定するようにしてください。
メンデル遺伝実験手順【エクセル付】
お茶の水女子大学 サイエンス&エデュケーションセンター作成
実験の際に学校で使えるエクセルシートは無料でお使いいただけます。
メールでお申込み下さい。お茶の水女子大学 サイエンス&エデュケーションセンター
「お試し版」 栽培キット【メンデル遺伝体験キット】C-10(種子数30) \1,760 |
|