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量的遺伝 ファストプランツ(TM)の毛 ファストプランツ(TM)の集団のなかで、生徒さん達が目で見えるけれども見逃してしまうかもしれない形質(表現型)があります。それは、変異や遺伝を研究する上で容易に利用できる形質です。毛の数の変化です。それは、茎に沿って、葉の裏や表の表面、また葉の端で、そしてファストプランツ(TM)の幾つかの系統では芽の表面でも見られます。 ファストプランツ(TM)の元になったBrassica rapaやファストプランツ(TM)に見られる毛は、不安定ではあるが、量的に遺伝する形質です。研究者から幾つかの考えは出されていますが、なぜ植物が毛を持つのかという理由は定かではありません。更に、毛の遺伝学や遺伝的特質についての研究は非常に少ないのです。 毛の数やどこに毛が生えるかを制御している遺伝子や対立遺伝子が何個関係しているかも分かってはいません。ファストプランツ(TM)の毛を観察し、その数を数えることは、思い切った試みですが、生徒たちに観察力を養わせ、彼らに多くの疑問を投げかける良い機会を与えることになるでしょう。 生徒さん達は、ファストプランツ(TM)の草丈を物差しとして使うために測りますが、その実際の高さをミリメータの単位で推計します。毛の数を数えることは、毛が体節的形質で、直接その数を数える離散的単位であることから、高さを測定することとは異なっています。(写真はミネソタ大学のBruce Fallによる)。 毛の表現型の発現は、多くの遺伝子により制御されているようで、ポリジーン形質と言われています(ポリとはギリシャ語で多数を意味する)。 これらの理由から、ファストプランツ(TM)の2つの株である、無毛、Hir (0-1)と有毛、Hir(3-6)が、先生、生徒さんそして研究者が毛の遺伝の量的形質を研究できるように開発されています。 有毛の表現型はHir(3-6)と表しています。この特別な記号Hirは、毛深いを表す英語(hirsute,ラテン語源で毛を意味する)から由来しています。毛深いことを表す遺伝子型は未だ分からないので、表現型の記号であるHirを使うことにします。発現の程度が広く変動するような表現型の場合に使われているのにならい、表現型を量的に表すために0から9までのスケールを使います。0から9までのスケールで、0は発現なし(毛がない)、1−2は低い発現量(数本の毛)、3−6は中間的発現量(毛が少しある)、7−8は高い発現量(毛が多い)、そして9は非常に強い発現量(毛むじゃら)を表します。(図2を見てください)。 優れた大学の初等レベルで実施することができるファストプランツの毛を使った実験の全内容が、ミネソタ大学のBruce Fallらによりネット上に公開されています。:
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