日本生物教育学会第82回全国大会研究発表
中学校における遺伝学習をどう進めるべきか
○小川博久<千葉県木更津第一中学校>
1 はじめに
生命科学の技術が急速に進歩する中で、生物の生命活動や遺伝子に対する理解や認識は、私たちの生活において、ますます必要になっていくと考えられる。しかし、TVなどの情報から中学生は関心を示しながらもDNAや遺伝子について否定的なイメージを持っている状況である。そこで、中学校での遺伝学習のあり方を探るため、平成15年より遺伝学習についてを進めてきた。
2 遺伝学習プログラムの計画と実施
中学校3年選択理科履修生徒を対象に、遺伝と生活との関わりを視点にして3つの学習プログラムを柱に年間指導計画を作成した。特に、体験的な学習を重視して、継続的な栽培、飼育活動を計画に取り入れ、ウニの生殖、作物の品種改良などに関する学習を進めてきた。以下に主な内容を示す。
<1>プログラム1 <生殖•遺伝に関する学習>
1 Fast Plantsの栽培、交配実験<形質パープル•ノンパープル>
以下省略
3 プログラム実施後の成果と課題
学習後の生徒は、生殖のしくみや遺伝子と自分たちの生活とを関連させて考え、遺伝子がどんなはたらきをしているのかもっと調べたいという感想を述べている。さらに、中学生の段階で、どこまで遺伝について学ばせるのか大学、研究機関と連携し、遺伝学習の内容を検討していく必要がある。