26日目 成虫の羽化

蛹が羽の点が見えるようになったら、蛹を葉についたままからの容器に移しましょう。羽化を観察するためです。詳しい幼虫の記述は37ページを見て下さい。

・羽化が近づいたら、蛹は空気を吸うようになり、後部に液体を貯蔵するようになります。蛹は少し膨れてきます。眼の存在が分かるようになり、触角が頭部に見えるようになります。

・成虫の羽化はとても速く、時によっては、1分以内です。外骨格は頭部から割れてきて、前脚が前方に出てきます。触角としわくちゃになった羽が引っ張り出され、体が蛹から出てきます。羽化した成虫は、止まっている枝の上に這い上がり、脱皮殻と液体を落とし、静かに枝につかまり羽を伸ばし、硬くします。羽を伸ばすのにだいたい15分かかります。そして、羽を硬くするのに1−2時間かかります。

 

 

蛹の間に、幼虫から成虫への変態が完了します。多くの蛾(全てではありません)は、蛹をまもるために絹状の繭を形成します。蝶は繭をつくりません。そ
れで蝶の繭の段階は蛹と呼ばれます。蛹の前の段階は、幼虫やいも虫と呼ばれるように、蝶の蛹を繭と呼ぶのは正確ではありません。なぜなら、絹状のもの
で覆われていないからです。


顕微鏡下での観察とスケッチ

 

・pg2段階での蛹の外部の特徴を観察してスケッチしましょう。頭部からや側面からスケッチしましょう。

・体節の様子や外形の形、頭部の色などに注目しましょう。あなたは、蛹の外骨格で気門の位置を同定することができますか。

・後部の終わりはどこでしょうか。あなたは、尾鈎のような小さい「マジックテープ」が絹状のカーペットのどこについているか見つけることができますか。

成虫を箱の中で放すことにより、多くの興味深い蝶の行動を観察し、調べることができます。以下のようなものです。
・摂食
・交尾
・産卵
・相互の関係
・日々の活動。概日リズム。光のような環境要因
・老化
・死

成虫の行動は、以下のものによって影響を受けるかもしれません。
・箱の中の空間と個体数
・個体の羽化後の日数
・個体の性
・箱の環境要因(物理的、化学的、生物的)
・箱の中の優占要因

蝶と蛾の摂食の様子からたくさんの疑問が湧き探究したくなるでしょう。砂糖、水、ミネラル、他の栄養物など花の蜜に含まれている者は蝶が雄をさがしたり、産卵したりするのに欠かせない者です。水と砂糖なしでは、蝶は、2,3日で死んでしまいます。

成虫tの蝶と蛾の口の部分の機能はたんに水と栄養を得るためだけのものです。蝶の吻は、いつもは丸く曲げてしまわれていますが、特別な筋肉を使って伸ばします。吻の長さは種によって違います。どんな花の蜜をとるかによって違うのです。

蝶の羽が伸びて硬くなったら、箱の中に放しましょう。

蝶に栄養を与えるために、飼育箱の中にフィルムケースの砂糖水供給器を置きましょう。(砂糖水供給器については、付録2を見て下さい。)全ての蝶の飼育箱に2つの砂糖水供給器をつくりましょう。一つの箱に一つの砂糖水供給器を置いて、それを新鮮なものに保つために、1日おきか2日おきに新しいものと取り替えましょう。

ミネラルの供給のために箱には、湿った土を入れたシャーレを置きましょう。

摂食行動を観察する

・フィルムケースの壷にいろいろな種類の花を置いて、比較しましょう。

・花の蜜を探している吻の様子を観察しましょう。

・摂食行動を定量化できますか。ヒント:蝶が花を訪問している回数と時間

・花の色は摂食にどんな役割を果たしていますか。

・花の年齢は摂食にどんな役割を果たしていますか。

・蝶は、1種のみに集まるでしょうか。他の花にも集まるでしょうか。あなたは、花による花の蜜の違いを見分けることができますか。


砂糖水供給器を使った探究

・花の色は、摂食行動に関係しますか。砂糖水にいろいろな色をつけてみましょう。

・砂糖水の濃度はどれくらいでしょうか。

・砂糖水へ蜂蜜を添加することは、摂食に影響しますか。

・砂糖水に他のもの、例えば、ミネラル、アルコールを加えることは影響しますか。

・蝶は、水だけでどのくらい生きていることができるでしょうか。水なしだったらどうでしょうか。

・産卵と栄養は関係あるでしょうか。

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